レーシングシムごとの物理エンジン性能比較

2chrFactor本スレで気になる記事についての書き込みがあったので、適当に訳してみようかと思ったが、ここんとこアクセス規制で書き込めないことを思い出し、むずかしいえいごがにがてなのもおもいだし、ちょっと凹んだので要点だけ抜き出してみた。

Tech Stuff – Physic Engine Rates – VirtualR.net – 100% Independent Sim Racing News

この記事によると、RSC(Race Sim Central)のユーザ「Bob Smith」なる人物が「各種レーシングシミュレータがそれぞれ1秒間の間に何回物理シミュレーションを行っているか」というデータを公開したらしい。もちろん、このデータがどの程度の信憑性を持つものなのかは分からないし、紹介している記事の中でも「データにある値が高い(シミュレーション回数が多い)からといって、それが優れたシミュレータであることを示すとは限らない」と釘を刺している。
真面目ぶって、そんな前置きも一応書きつつ以下のデータを見てみようじゃないか。

発売年 タイトル 車両の挙動 衝突検出 タイヤ特性
1998 Sports Car GT 50Hz N/A
1998 Viper Racing 60Hz*1 N/A
1998 Grand Prix Legends 288Hz N/A
2000 F1 2000 50Hz N/A
2000~2008 Racer 300Hz 3000Hz~30,000Hz
2001 F1 2001 200Hz N/A
2002 Total Immersion Racing 100Hz*2 N/A
2002~2008 Live For Speed 100Hz 2000Hz
2003 NASCAR Racing 2003 Season 288Hz*3 N/A
2004 VirtualRC Racing v1.0 300Hz 600Hz
2005 VirtualRC Racing v3.0 250Hz 500Hz または 1000Hz
2005 rFactor 400Hz N/A
2006 Test Drive Unlimited 1000Hz 100Hz N/A
2006 netKar Pro 333Hz N/A
2007 Forza Motorsport 2 360Hz N/A
2008 Ferrari Challenge: Trofeo Pirelli 60Hz N/A
2008 iRacing 360Hz N/A
開発中 Motorsport 333Hz N/A

最後の一文の意味が良く分からないが、紹介記事では結論として以下のようにまとめている。

これらの数字はかなり興味深い。ISIが「Sports Car GT」から「rFactor」にかけて大躍進しているあたりが特に。そして「Forza Motorsport 2」が賞賛された「iRacing」と同じくらい速い物理エンジンを搭載しているなんて誰が思っただろう?残念なのは「Gran Turismo」と「Simbin」の各種タイトルに関するデータが全く無いことだ。それらは「rFactor」のデータの周りにあるべきである。

これを見て、まず面白いなと自分が思ったのは以下の点。

  • Forza Motorsport 2」など最近はコンシューマ機で発売されたレースシムがその物理エンジン性能を高らかに謳っているケースが多いが、ところがどっこいPCゲームのレースシムには30,000Hz(!)などという意味があるのか分からない恐ろしい回数でシミュレーションを行っているタイトルがある。
  • タイヤ特性のシミュレーションに定評のある「Live For Speed」を筆頭に、車両の挙動シミュレーションよりも高解像でタイヤモデルの計算を行っているシムが意外と多い。しかし、そういうタイトルに限ってどれもマイナーなのはどういうことだ!
  • 数値とタイトルの一般的な評価を考えると、明らかにこれらの数値とレースシムとしての優秀さには全く相関関係がない。あらかじめ断られてたとは言え、これじゃあまりに不憫じゃありませんか。
  • 結局のところ総合すると「売れる」レースシムを作るには車両の物理シミュレーションを100~400Hz程度の速度で、それ以上作りこみ過ぎず、ほどほどに行えばいいようである。だから何?とか聞いてはいけません。

個人的にも見て興味深いデータだった。こういうのってなかなか表には公開されないしね。

*1:部分的に300Hzで計算

*2:内部計算は実質400Hzに相当するらしい

*3:推定値